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燃料電池
                   燃料電池について


① 燃料電池とは ・・・・・・・・・・  “燃料電池”と呼ばれていますが、ここでは、一般の懐中電灯に入れる乾電池、パソコンや、スマートフォン、デジタルカメラなどに使用する小電力電池のようなものではなく、超大電力発電機を考えます。
その原理は、燃料本来が持っている化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する方法で電気を発電します。火力発電のように燃料(ガス、石炭)を燃焼させて、その熱で蒸気を発生させて蒸気タービンを回し、発電機を駆動して発電する、即ち、燃料がもっている化学エネルギーを熱エネルギー、運動エネルギーと2~3段階のエネルギー変換を経て電気エネルギーに変換するのではありません。これは、次世代の高効率エネルギー変換技術として注目されています。燃料電池の中でも特に発電効率が高いSOFCはセラミック材料で構成され高温下で動作することから、多様な燃料を化学的に電気エネルギーに変換することができます。

 ・・・・・・・構造と種類
燃料電池は、電解質(燃料極と空気極を隔てているもの)や、透過するイオンの種類、作動温度によってさまざまな種類に分けられますが、基本原理は、電解質中をそれぞれのイオンが透過することにより起電力が発生します。
以下に現在実用化されている燃料電池です。
燃料電池です。
今後さらに新しいタイプの燃料電池が開発されることも十分考えられます。

現在実用化されている燃料電池は、電解質の動作温度から、また、解質中を透過するイオン種により、PEFC形、MCFC形、SOFC形などが実用化されつつあります。

1.PEFC 個体高分子膜形燃料電池
PEFC-70.jpg
<動作原理>
燃料極に入った水素ガスは水素極表面で ① H2 ・・・・・>H , H 水素原子に分離する。
分離した水素原子は ② H ・・・・・ >水素イオン(H+)と電子(e-)に分かれる。
③ 別れた水素イオンは、電解質中を透過して空気極に到達する。
④ 一方、電子は電解質中を通過できないので、外部回路に流れ、負荷を駆動して空気極に到達する。
⑤ 外部回路を回ってきた電子(e-)と、電解質中を透過してきた水素イオン(H+)は空気極で再結合して水素原子になる。
   (H+)+ (e-) ・・・・・・・・> H 、 H+H ・・・・・・・・>H2
⑥ 水素原子は水素分子になり、周りの酸素と反応して水を生成する。

<特徴と使用実績>
この型の電池の特徴は動作温度が低く、純粋なH2ガスを燃料にします。そして、白金触媒を使用するため、エネルギー効率が優れていることが特徴です。小~中型のタイプが主ですが、自動車(FCV)に搭載されているこのタイプはエネルギー密度が最高で、世界最高の出力密度を誇ります。(ガソリン車のカローラ1500ccのエンジン出力と比べてみると・・・。)
トヨタミライ、ホンダFCV車などの燃料電池自動車に搭載されています。自動車のボンネット内という環境制約があるので、低温度動作の燃料電池スタックが使用されています。

mirai-75.jpg




2. MCFC 溶融炭酸塩形燃料電池・・・・・家庭用、業務用、工業用、分散電源用、火力代替(大規模)
電解質に溶融炭酸塩を使用した比較的高温で作動する燃料電池です。
比較的高温650℃で動作する溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)は高温の排熱を利用した複合発電が可能であるので、50~65%の高い発電効率が得られます。また、MCFCは主要構成材料が金属であるため、燃料電池の中で最も大容量化に適しています。さらに高温で作動するMCFCは、白金触媒を必要としないので一酸化炭素(CO)による触媒被毒の問題がなく、CO濃度が高い廃棄物ガスも燃料として利用することができます。廃棄物ガス化とMCFCの組合せによる廃棄物発電では、小規模でも高い発電効率(40%以上)が得られるので、廃棄物の持つエネルギーを電気エネルギーと熱エネルギーに効率良く変換することができ、CO2削減にも有効な技術です。
MCFC.jpg



3. SOFC 固体酸化物形燃料電池・・・・・家庭用、業務用、工業用、分散電源用、火力代替(大規模)
電解質に固体酸化物(酸化ジルコニア、セラミックスの一種)を使用した非常に高温(1,000℃)で動作する燃料電池です。
一般家庭用「エネファーム」と呼ばれている燃料電池がこのタイプです。一部はPEFC型のエネファームもあります。

SOFC型とPEFC型の2つのタイプのエネファームを比較してみました。外見は同じですが、燃料電池の型が異なります。
エネファーム2


SOFC型燃料電池の原理を示した模式図
SOFC.jpg


① 燃料極では、空気極側から電解質中を移動してくる酸素イオン(O2-)は、燃料極と電解質の界面で電子(2e-)を放出すると同時に、燃料の一酸化炭素(CO)、水素(H2)と反応して、二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)を生成する。
② 一方、酸素イオンから放出された電子は、外部電気回路を通って電気的な仕事をした後、空気極に移動する。空気極と電解質の界面では、空気中の酸素(O2)が、移動してきた電子と反応し酸素イオンになり、この酸素イオンは電解質中に取り込まれて燃料極側に移動する。

電解質は高温(1000℃)に耐えられるジルコニア セラミックスを使用し、酸素イオンがこの中を透過します。
動作温度が非常に高く、しかも全体の化学反応は発熱反応であるため、この高温熱を利用して、SOFCからの排熱でガスタービンを駆動します。さらにこれからでてくる排熱もまだ十分温度が高い(数百℃)ので、第3段階にこの排熱で蒸気タービンを駆動するトリプルコンバインド・システムを構築することが出来ます。
このように3段階の発電機を縦列に駆動することにより、原料から見たエネルギー効率は、これまでの発電システムと比べて最高になります。今後このような複合型の発電システムが増えると思われますが、最上流の燃料電池の作動温度によって、システム全体の発電効率が決まります。

1システム700~800MW出力のトリプルコンバインド高効率・大電力発電システムを以下に示します。
実際はこのようなシステムを5~10機を並列に一つのプラントとして運用します。欧米では既に、商用、企業内発電に導入が始まり実用化されています。
エネルギー

SOFCnew-70.jpg
このシステムにCO2回収・改質システム・メタネーション、そして、SOFCクアトロジェン・システムを組み込んだ総合システムが、最終的な発電システムです。








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