エネルギー問題について その2
2.脱原発に向けた代替エネルギーについて

 前回は、原発の危険性について簡単に私見を述べてみたが、今回は、原発一極集中型発電システムからの脱却を目指して、その代替エネルギーの発電システムとその電力配給システムについて考える。

 代替エネルギーとしては先ず、自然エネルギー(太陽光発電、風力発電、地熱発電やバイオマス発電、etc)の利用が考えられる。いずれも我々が自然からのエネルギー取得手段としては、理にかなった簡便な方法である。しかし、これらの方法でエネルギーを取得した時、あまりにも自然界に存在して我々が利用できる空間エネルギーは密度が低い事に気付く。そのため、太陽光発電を例にとると、原発一基分相当の発電量を確保するのに晴天下の条件で、数km平方の空間を必要とし、それを実現しても天候、外気温などの自然条件に左右されるという弱点をもっているので、常に一定の電力を得るのは不可能である。他の発電方法も多かれ少なかれ天候などの自然条件に左右される。
 そこで考えられるのは、自然から得られるこのような不規則・不安定なエネルギーを補助的に使った「大電力燃料電池発電」が考えられる。これについては後ほど詳しく述べる。
 今回の福島第一原発事故により全国的に電力供給が不安定になった経緯から、今までの発電、配給システムではリスクが多すぎることは誰しもが痛感したことと思う。
そこでこれからの電気エネルギーの配給方法は、これまでのような「発電所」と言われる一箇所集中で大電力を発電し、それを送電線で遠方の消費地に供給する従来の方法は見直されなければならない。柏崎・刈羽原発で発電された電力を200数十キロ離れた関東圏に電力を伝送する時、この間の送電ロスは10%にも及ぶとの報告がある。
6,7月ころの蒸し暑い夕刻など送電線近くでラジオを聞くとすさまじい雑音に悩まされることを度々経験する。送電線間および空間の放電である。このような形でも電力が空間に消失されている。
 このような送電ロス、自然災害、などの損失、リスクを避ける考え方として、以前から言われていた“スマート・グリッド”という手法があることに思い当たる。

<<< その地域で消費する電力(エネルギー)はその地域内で発電配給する。>>>

このような理念で「地域分散型小規模発電システム」が全国に建設され、また、それらを結ぶ主幹電力網を全国にめぐらした時、災害が起こった場合でも相互依存で周辺地域から電力供給も可能になり自然災害などのリスクはほとんどなくなるであろう。

このようにこれまで述べてきたことを実現する手段として、「燃料電池発電」を提案する。
何故ここで燃料電池かについて次に考えてみます。
 我々がこれからエネルギーを入手する手段、過程で考えなければならないことは、
 ① クリーンであること。
    燃料電池の原理、構造から言えることであるが、廃棄物が再生可能(何らかの
    過程を経て元燃料に戻すことが可能)、環境汚染が少ない。
 ② 廃棄物が毒性をもたない、再生可能であること(循環型)
    システムからの廃棄物は純粋な水もしくは炭酸ガスである。
 ③ 持続可能である。
    PEFCの場合は、これを再生(廃棄物は純粋な水である)して使うことが出来
    る。SOFCについても縦接続された他のタービン発電など次のシステムに利用
    可能である。
 ④ 環境問題を起さない
    いずれのシステムも以前の発電システムに比べて高効率であるので、環境への影
    響は格段に改善される。
 ⑤ 燃料の入手が簡単で、燃料の持つエネルギー密度が高い
    PEFCの燃料は水素である。水素ガスは水素爆発を起すようにエネルギー密度
    が非常高く、地上では如何様にしてもえられる。水の電気分解、アルカリ金属と
    水との反応などで得られる。また製鉄の過程で大量に発生する。
    SOFCの燃料は水素ガスはもちろん、LP,天然ガスなどがあるが、酸素と反
    応するものなら他の燃料でも可能である。

今日開発され、利用されている燃料電池は大きく分けて、液体電解質型と固体電解質型に分類される。
詳しい構造は別に譲るが、その中で固体電解質型の2つについて簡単に述べる。

1、PEFC(固体高分子)型
 トヨタ、ホンダ、NISSAN、など日本の自動車メーカーを筆頭に世界の自動車メーカーが開発競争を繰り広げているタイプの燃料電池です。
日本のトヨタ、ホンダは本年下半期以降にこのタイプの燃料電池を搭載した自動車を市場に出す計画のようです。内燃機関として発達してきた自動車エンジンの最終型がこの型の燃料電池FCVです。

PEFC型は純粋な水素ガスを使用するため燃料効率もよく、動作温度も低いためメンテナンス性も良いのが特徴ですが、燃料電池本体の製造コストが高いのが難点です。
そこで今この車の普及を目指して全国的に水素ガススタンドのインフラ整備が進んでいますので、この車の普及も時間の問題です。またこの車の変った使い方として、搭載された燃料電池で、一家の電力を供給する方法も考えられています。それを供給できるだけの電力容量をもつ燃料電池車も市販されるかもしれません。また、上記のように鉄鉱石製鉄所ではその精錬過程で大量の水素ガスが発生するのでこれを利用した大規模発電システムが可能です。

2.SOFC(固体酸化物)型
 この型の燃料電池は700度から1000度くらいの高温で作動させるため、LP,LPGガスなどの燃料効率が良く、この型の燃料電池は中から大の電力発電に適している。そして、このシステムと高温ガスタービン発電、蒸気タービン発電を組み合わせた複合システムでは70%の効率で、総発電量700メガWにも及ぶ電力発電が可能であり、これくらいの規模のSOFC複合発電システムから得られる電力は現在の原発一基分に相当し、これこそ次世代の原子力発電の代替システムとしてもっとも有望な発電システムです。
原理はこれまで開発されてきたガスタービン、蒸気タービンを組み合わせて複合発電システムの燃料流路最上流にこのSOFCを配置した構造になっている。そして、燃料としてはLPガス、LNG、石炭火力等幅広い燃料の選択が可能です。
この複合システムの大規模実施プラントとして実用化されようとしているのが三菱重工業のSOFCプラントで、詳しい技術解説は三菱重工業のHPで確認することができる。
またSOFC型燃料電池単体では、家庭用としては高効率発電「エネファーム」と呼ばれ、都市ガスを燃料とした一般家庭用の発電・給湯システムに実用化されている。
エネルギー問題について その1
これまで「趣味のオーディオ」についての現状を紹介してきましたが、
今回から2回にわたって「1、原発とそのリスク」 「2、代替エネルギーについて」考えてみます。

今回は 1、原発のリスクについて考えてみます。

今東京都知事選挙で「原発の是非」をめぐって激しい選挙戦が行われているのは承知の通り。
今日現在 一部あるいは多くのマスコミは脱原発論に対して、他から多くの圧力かかっているのかこの問題についての真の報道が差し控えられている感がするのは、私の独断だろうか?。

ここでは私なりの独り言を呟いてみます。

1、原発のリスク
原発の原料であるウラン235(U235と表す)は、自然界のウラン原料の中には0.7%くらいしか含まれておらず、これを原発の燃料として使用可能とするために3%程度まで濃縮される。

U235 は非常に不安定な物質で、原発ではこれに外部から中性子を当てて、
              U235 ・・・・・> U238
と変化する過程で、膨大な熱エネルギーを発生する と共に、これまた今の自然界には存在しない厄介な放射性廃棄物を産出する。

この時の熱エネルギーは蒸気タービンを回すことによって電気エネルギーに変換されるが、
ここで問題となるのが、熱エネルギーと共に生成される、原発廃棄物としてのプルトニュームをはじめとしたストロンチューム、セシュムなどの白金族物質の発生です。
 これらの物質は自然界には存在しない。我々人類をはじめ、地球上の生物は有史以来これらの物質に晒されたことはなく、これらの物質は我々生物に対して強い毒性を示すが、我々はこれに対して全く無防備なのである。

そしてまた、これら発生した原発廃棄物の処理方法が未だに確立されていないということも原発システムの大きなリスクである。
(よく言われる トイレなきマンションに生活するが如きである。ここで安住できるだろうか?。将来誰がこの汚物を処理するのだろうか?。)

原発を稼動させた時、このようなリスクのもとで、我々は電気エネルギーをいとも簡単に手に入れ、そのまま浪費していて良いのだろうか?・・・と疑問になるのは自然なのではないだろうか。そして、このように我々は”便利な生活”の代償としての“負の遺産”を将来に残していいのだろうか?。


 次に今の原発が本当に安全かどうか?。
福島第一原発事故が起こった時、先ず現状を最初に報告したのは原子力安全委員会の代表であったと記憶している。
その時の説明では、「原子炉は安全で異常はありません・・・・。原子炉からの放射能漏れもありません・・・。」
しかし、地震 その後の津波の状態を冷静に見ていた人は気が付いたことと思うが、あれほど大きな地震の後の津波で原子炉本体に異常がないとは、おかしい・・・?。
その時原子炉内部では、冷却水不足で異常高温になり、核燃料が溶け出していたのです。
そしてついにメルトダウンに至った事実は後程報道されわかったことです。
このような現実を知ってかくしてか、知らないままか、いとも現実の様にテレビ会談した安全委員会の代表は、いまどこで何を考えて生活しているのだろうか?。もっともっとあの時、真の現実を正しく報道してほしかったと思うのは私だけではなかったと思う。

ここで、我々一人ひとりが福島で起こった悲惨な事故について、今までの情報を基に検証してみる価値があるのではないだろうか?。

このように考えると、東電が今まで主張してきた「・・・の対策をしてきたから・・・“絶対安全”」ということはとうてい受け入れることは出来ないつくり話に思えてならない。
これまでに、原発事故に対していろいろの対策がなされてきたが、これらの対策をすればするほどシステムが複雑化し、いくらコンピューター制御しても不具合が発生する確率が高まるばかりである。システムが複雑になれば成る程不具合の発生する確率が高くなることを忘れてはならない。
そして、これから、予期しない天災、人為ミス、システムトラブル、テロなどどのような事態が起こるか分からない今日なのです。

思い当たることを簡単に述べてみました。この続きは次の機会にいたします。
次回は今の原発の代替システムについて考えてみます。