水素の輸送、配送
       H2ガスの輸送、配送について

(本題から逸れるかもしれませんが、「柏崎構想」を実現するために、このようなことも考えてみました。)

        なぜ水素からメタンを作るのか・・・・・・・・・?

1、水素ガス(H2)をそのまま輸送せずに、メタン(CH4)に変えて輸送・貯蔵する。
 化石燃料をあまり使わず、二酸化炭素(CO2)の排出量も削減する。このようなエネルギー社会を実現する手法は複数あります。
 1つは再生可能エネルギーと「水素」を組み合わせる手法で、まず、太陽光や風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーで電力を生み出す。ある時点で使い切れなかった電力を水素に変え、必要に応じて燃料電池車や、発電用の燃料電池に受け渡す。こうして、電力の需要と供給のバランスを取り、二酸化炭素の排出を減らすことができる。太陽光発電などを用いた大量の発電が可能な国から、水電解によって得られる水素の形でエネルギーを国内に運び込むことが先ず考えられる。
 この手法に対する問題点は、水素を大量に製造、輸送、蓄積することは技術的に可能で、研究開発も進んでいます。しかし、新たに立ち上げなければならない輸送・配送などの水素インフラのコストが大きくなりすぎるという問題がある。

 水素を大量に製造しながら、既存のインフラをそのまま使い続ける方法が水素の「メタン化=メタネーション」の技術です。メタネーション技術を使用して、水素と邪魔者の二酸化炭素を反応させてメタンを作り出す。二酸化炭素と水素から、メタンと水ができる。

CO2+4H2→CH4+2H2O ; CO2に H2を作用させて、CH4 を生成

水素をそのままの状態での輸送・配送は、インフラの整備に時間と経費がかかり、現実的ではありません。一方、メタンは天然ガスや都市ガスの殆んどを占める可燃性ガスです。今日では海上を含む長距離輸送(液化天然ガス)や国内での貯蔵、需要地への供給インフラが整っているので、現行のガス配給網がそのまま使用可能です。メタンは水素と比較すると格段に扱いやすいのです。そして、最近では水素を99%の確率でメタン化に成功したとの報告がありますので、今後この方法が定着するものと思います。

2、水素ガスは取り扱いが難しく、厄介者
水素元素は周期律表の中で最初に位置する非常に原子径の小さな元素です。そして、空気中に飛散すると、たちまち空気中に拡散していき、なかなかとらえにくい元素です。これが空気中に僅か4%貯まると、何かの原因で空気中の酸素と激しく反応して、大爆発を起こしてしまいます。水素ガスは化学的に非常に活発に周囲の元素と反応する元素です。

次に、水素が原因の「脆性破壊」という恐ろしい現象がありますが、この例としてこんな実話があります。
昔、アメリカで第二次世界大戦後に建造されて間もない溶接鉄鋼船の大型輸送船が、航行中に何の前触れもなく、突然真っ二つに船体が折れて沈没する事件がありました。また、この当時建造された別の船でもこのような事件が発生して世界中を驚かせたことがあります。この原因は鋼鉄船体の「脆性破壊」という現象であると結論されました。

即ち、あの当時の鋼鉄板材料で溶接技術が用いられていたのですが、建造を急ぐあまり溶接が不十分であったのも一因ですが、それと共に、当時鋼材の純度が低かったために、鋼板の金属には金属格子欠陥が多くありました。その欠陥部分になんらかの原因で発生した水素原子が入り込み、周りの金属結格子に歪を生じさせ、この部分の強度が著しく低下して、全体に破壊が及んだのです。この破壊の特徴は、一度部分的にこの破壊が起こると、あっという間に全体に破壊が広まるのが特徴です。
このように小さな金属格子の欠陥部分にまで水素原子は入り込み、周りの状態を著しく破壊してしまう厄介者ですので、水素ガスを扱う上で、バルブの製造、ボンベの構造、配管には十分注意することが必要です。

水素ガスそのものを輸送、配給することは、リスクが伴います。
そこで、輸送、配給はメタン(CH4)ガスに変えて行ない、配給先でメタンより水素を取り出す方が安全で簡単です。
メタネーションとクワトロジェン技術を使う方法です。
(このイメージ図を下記に示します。先のBlog ページも参照してください。)
輸送-60

活気ある新しい街づくり
燃料電池産業等の新規事業を基軸にした雇用の促進と、街づくり

元気のある街づくり                老若男女元気のある街づくり
若者の集う街づくり                若者が希望と夢を持てる街づくり
産学バランスのとれた街づくり         アイデアの創出とモノづくり

今日の柏崎市民は、毎日の生活の中で、これからの柏崎について思い悩んでいます。
しかし、街は生きています。死んではいません。ただ、皆の気持ちが焦ってばかりいて、なかなか前に進めないのです。

これまで街の主力産業は一部の商工業のみで、ふだんの街中は人通りもまばらです。夏の海水浴などの観光の面でも、また普段の商店街の賑わいでも衰退の一途をたどっています。

市内にある工場団地でも仕事量は、以前と比べて減少して、新規事業も殆んどない状態です。
「石油の街・柏崎」として繁栄したころの工業、商業の産業がなくなり、年毎に昔の「エネルギーの町・柏崎」の活気が失われていってしまっています。

これまでの観光産業など 外からの要因に頼った事業の活性化は必要ですが、それよりもそこに住んでいる私達自身の心の活性化が第一です。柏崎市で行った市民アンケート調査の結果を踏まえて、これからの柏崎市を考えてみましょう。

それには毎日の生活の中で心の安心感、幸福感が得られることは、以下のURLや、各地の取り組みがインターネットに取り上げられていますので、これらを参考にするとよいでしょう。

www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/heisei11/1/1_4_01.html

今日の柏崎の問題を解決するには、地域地盤である産業構造がしっかりしたものである必要があります。具体的にこれからの柏崎にはこれまでの金属加工業を中心とした、「モノづくり文化」の発掘が必要で、それも、これまでの概念を超越したものでなければなりません。それには、長期を見越した街づくりプランと、行政の積極的な新規企業の誘致が先ず第一に必要です。これがないと全てが今までと同じで、衰退の一途を辿るだけです。 

ここでは新規企業誘致、産業構造の改革、そして、これからの未来都市構想にも対応できる産業として、”燃料電池産業”を基軸とした新エネルギーでの町おこし「柏崎構想」を提案します。

新エネルギー構想の中での「燃料電池産業」の概略については、柏崎地区の5か所の地域に設置する構想で説明してきましたが、この中で最も規模が小さいであろう「新市役所、病院」に設置計画の燃料電池発電システムだけについてこの計画に参加出来そうな企業種をリストアップしてみると、大変な多種の業種にわたっていることに驚かされます。市内の事業所のほとんどが参加できそうです。
今日の原発関連の参加業種とは比べ物にならないことから、市内の事業者の雇用条件が著しく緩和されることが分かります。
以前にも記しましたが、この計画には一部の企業だけが参加するのではなく、多種、多様な複数の事業者の参加がなければ成り立ちません。

これらが満足されて、このプロジェクトが具現されたとき、柏崎の街は以前以上の活気を取り戻すことができるでしょう。
夢物語に終わることの無いよう皆で知恵を出し合って実現に向かって努力していきたいものです。

業種-60 新市役所、病院に設置予定の内部改質型SOFC燃料電池を例とした、この事業に関係する企業種をリストアップしてみました。







トリプルコンバインド・システム
SOFC, MCFC トリプルコンバインド・システムの設置

燃料電池導入計画のStage3として、大電力型SOFC, MCFC トリプルコンバインド・システムを柏崎港湾地区に設置する。
規模は、プラント当たり500~700MWの総発電量をめざす。(註:「燃料電池」のコラム参照)

このシステムでは、大型SOFC, MCFC を燃料流路の最上部に設置し、これより流路に沿ってガス・タービン(GT)発電、蒸気タービン(ST)発電の三つの発電装置を縦列にしたシステムを導入します。そして、このシステムの最終排出ガスであるCO2を、”メタネーション”によってCH4ガスに改質して燃料ガスとして再利用する。
また、燃料ガス供給については、大規模トリプルコンバインド・システムを稼働させた時、消費ガス量から在来天然ガスパイプラインからの供給は難しくなるので、港湾施設を活用し、海外からのLNG, LPG の搬入も考慮した計画です。


トリプルコンバインド・システム-60

このプラント一基の発電量は、原発一基分以上に相当するので、新潟県内は勿論、東北電力管内、首都圏などへの電力の輸送も考えなければならない。
東北電力の新潟県内の送電網の空き容量の余裕はあまりなさそうですが、柏崎地方の送電網にはまだ余裕がありそうです。
先ずはこれを利用して、東北電力管内に電力を送出する。
次に、首都圏への輸送については、東電の原子力発電送電網に接続することも考えられます。


最近、トヨタがアメリカで燃料電池大発電構想を発表し、内外からこの計画に称賛の声が上がっていますが、将来柏崎地区では、このプラントを10プラント以上増大し、本格的な”クリーン・エネルギーの町 柏崎” としてこれからの街の工業技術、産業の発展の切り札に出来たらと思います。





SOFC, MCFC
SOFC, MCFC型燃料電池の設置

柏崎市内の公共施設の中で、新市役所、病院の(非常用)電源に、天然ガス焚きSOFC, MCFC型の燃料電池を設置します。ここには、他の地域と違って給湯の需要も考慮しています。
二か所共にSOFC, MCFC型燃料電池、若しくはそれらとMGTを組合わせた【 250kW Hybrid-FC (MHPS)システム】を設置し、緊急時の電力システムの耐久性と信頼性を高めます。

以下に未来型燃料電池の使用例として、外部CH4改質型SOFCを示しますが、MCFCについても同じような使用法が考えられます。
 都市ガス(CH4)から改質されたH2をSOFCの燃料として使用し、またこれを取り出して外部に供給することができるので、発電機能は勿論、給湯、FCV用水素ステーションを考慮した、水素ガスの供給も可能ですので、未来都市型エネルギー供給基地を構築することができます。また、CH4の改質をSOFC内部で改質することを可能にした内部改質型SOFCも考えられ、よりエネルギー効率が高くなります。

外部







(木質)バイオマス発電と燃料電池発電
(木質)バイオマス発電と燃料電池発電

 柏崎市周辺には、多くの里山があり、そこには杉林、松林、雑木林などがあります。
そして、里山の美観を守るために、山の森林資源を守るために、毎年多くの里山で間伐作業がなされ、多くの間伐材がでてきます。しかし、これらの間伐材は利用されることなく、そのままの形で現場に放置されているために、現在の里山は荒れ果てているのが現状です。
そこで、これからの里山の自然の美しさを保全していくために、都市ガスを燃料にしながら、これらの間伐材を積極的に利用したエネルギーの補給地としての役割を里山周辺に構築するために以下のような二つの計画を提案します。

第一案として、これらの木質材と使用した「木質バイオマス燃焼発電」を考えてみます。
新潟県内では、三条市、新潟市などでは、既にこのプロジェクトを立ち上げています。三条市での取り組みの様子を以下のURLで見ることができる。
http://www.tohobank.co.jp/news/20161227_004752.html

また、新潟市でもこの取り組みがなされ、プロジェクトが進行中です。
しかし、あまりにも間伐材発電事業だけに拘り、もっと悪用されると、間伐材を収集するために森林を新たに切り開くなどが行われ、有用な森林木材までもが伐採されて、森林破壊という深刻な問題を引き起こす結果になります。これでは計画そのものは本末転倒な結果になりますので、一定の歯止めが必要です。

その他県内でも数か所「間伐材発電事業」が計画されているようですが、具体的にどのような取り組みがなされるか問題があるように思えます。

第二案として、柏崎での取り組みは、燃焼方式ではなく、木質バイオマス(木材、間伐材、解体家屋材等)の供給量に対応し易い乾留方式として、そこから得られる乾留ガス(CO, CO2)をエネルギー源にします。そして、このガスを原料に、周辺の太陽光発電などの電力の一部を使用して水電解して得られる水素(H2)を反応させて(”メタネーション”)炭酸ガス(CO2)をメタンガス(CH4)に改質します。このメタンガス(CH4)に、必要ならば都市ガスを加えたガスをSOFC, MCFC型の燃料電池の燃料とし、第一段階の発電をします。次にここから排出される高温の排熱で、第2段階でガスタービンを駆動し発電します。
・・・・・・・・・ このような”柏崎方式”という発電システムを考えてみてはどうだろうか?。
このようなシステムでは、大型で、ただ材料燃焼式より燃料のエネルギー変換効率は高く、排出ガスも大変少なくなります。木質バイオマスの量が制限されるとき、この方法は大変有用な手段です。
先に柏崎地方の燃料電池導入構想で示した、西山工業団地、夢の森公園付近に設置のシステムがこれに相当します。
以下にStage 2 としての構想を示します。

乾留